■ 明日出発
2000-07-15 (Sat)

思いのほか出発準備に時間がかかり予定変更。
明日出発。
『メレンゲの気持ち』O.Aも8/5に変更らしい。

ま、予定なんてのは変わるからこそオモロイんであって、状況に応じて対応してきゃいい。

相手がこー来るなら、こっちはこーしてやる。
おっ、そんな手があったのか?
うーん、ならこんな事しちゃえ。

相手の出方が同じじゃ、勝てるけど戦う意味もないや。

ついに、HMV、TOWER RECORDS、VIRGIN等の外資系でも
取り扱いが決まったんで、シラミつぶしにCDショップ回ったろ。

ひとまず明日は、静岡ずら。



■BACK TO THE STREET
2000-07-16 (Sun)

PM5:00
静岡着。
散歩しながら場所探し。

ホトトギスつながりって事で、家康公の像にあいさつした後、『生活創庫』前にてライブ開始。

最初、『静岡生まれほうじ茶育ち悪そな奴はだいたい友達』
っぽい奴らが寄って来て
「ちっと何かネタやってくわっつぁいよ」
てな事言ってたのだが、最終的に
「いー曲っすねー、やっぱ音楽一本でやったほうがいいッスよ」
と言わせる。

青葉公園に移動し、少ないながらも地元の人々と交流した後、浜松へ向かい国道1号を西へ。

途中『金谷町』って看板を見つけ、「今夜はここに泊まろう」と決断。

降りてみたものの、そこは『眠りまくりの街』。
いくつか旅館に電話してみたものの、予約もなく突然夜中にやって来た素性の知れない奴に貸す部屋なしっぽいニュアンスで、すげなく断わられる。

金谷なのに金谷に泊まれないのかよ。

もっと俺の金谷に対する愛を知ってもらうため、明日、浜松の前に金谷駅前でライブやってやる。

金谷IN金谷だ。



■眠れない夜
2000-07-17 (Mon)

昨日駿府公園で、フィリピーナとおっさんのカップルがひとつのアイスを分け合ってる姿を見て、ほのぼの気分だったのだが、俺の横にいた中年夫婦の女の方が、
「あれってお金で買われてるんだよね」
とぬかしやがった。

それがどーした。

いいか、あのおっさんはなあ、金出さなきゃ買えねんだよ、愛ってもんが。
金出してもいいから、どーしても欲しくってたまんねんだよ、愛が。

んで、フィリピーナにとっちゃ金こそが愛なんだよ。
一瞬の幻想みてーな色恋沙汰なんかじゃなく、金を手にする事だけが、自分の、家族の、人生を確実に幸せに導くんだよ。

あんた、そんな人達の気持ち考えた事あるかい?
目の前のダンナ、本当に愛してんのかい?

そんなチンケな小市民的幸せ、いつでもブッ壊してやるぜ。

思い出したら、腹立って眠れなくなって来た。

何であん時、すぐ殴れなかったのかな?

俺も世間の常識ってのに飲み込まれてんのかな?

AM3:00



■さらば金谷
2000-07-17 (Mon)

金谷町は町じゅう金谷だらけだ。
金谷小、金谷中、金谷高、かなや公園、かなや会館、中部銀行金谷支店。

どこへ行っても金谷、金谷。
王様気分だ。

ちょっと恥ずかしい気もするが。

高台にある牧ノ原公園で、町を見下ろしながらギター弾いてたら、昨夜の怒りも薄れて来た。

「昨日のおばちゃんすまん。
あなたの生き方否定する権利は、ありません。
どうぞその小さな小さな価値観の中で、それなりに幸せ見っけてください」

世間の常識に反抗するんじゃなく、かといって飲み込まれもせず、世間の常識を俺自身が飲み込んでやる。

グーで殴って捕まるのが常識なら、唄であんたをボッコボコに殴りつけててやるぜ。

あー忙しい、忙しい。

PM1:00
浜松着



■夜のお菓子
2000-07-17 (Mon)

飛び込みでCDショップに行くと、丁寧な対応してくれるか、逆に足元見られるかのどっちかだ。

浜松でCD買うならタワレコ。
静岡なら『すみや』。お薦め。

PM5:30
浜松駅前にてライブ開始。

始めたとたん人が集まり出し、これ幸いとデカい声でCDを売り込みすると人が去って行く。

しゃーねーなあ、と黙って唄いだすと
「CD下さい」と集まって来る。

さすが浜松、うなぎのようにつかみ所がない。

駅の横に『アクトホール』って洒落たホールがあり、
「いつかビッグになって、ここでやってみてーな」
と野望に燃えていてのだが、昔ファンだったっつー女の子いわく
「私、金谷さんのステージ何度も見ましたよ、アクトホールで」

衝撃の告白。

過去を忘れるにも程がある。
全然覚えてないッス。

この先、あーあの子と付きあいてーってな人があらわれて、もしそいつが別れたカミサンだったらどーしよう。

つーか俺、もう結婚してたっけ?

全然過去の事覚えてねーよ。



■うなぎは食えず
2000-07-18 (Tue)

PM3:30
名古屋着。
超過密スケジュール。

CDショップ5軒、FM2局飛び込み営業後、栄の東海銀行前&名駅の東海銀行前でストリートライブ。

冗談じゃなく、ライブの曲間だけが休憩時間っつーくらいの忙しさ。

でも、その分手応えアリアリ。

ラジオ出演依頼&ライブ出演依頼&私の結婚式で唄ってください依頼。

名古屋が俺を呼んでいる。
8月後半、また名古屋に戻ってくるぜ。

そん時まで、手羽先はおあずけだ。
とほほほほほほほほほほほーい。



■四日市の夜はアツイ
2000-07-19 (Wed)

木曽川のほとりにひとり車止め捨てられしノートパソコンまさぐればそこより出でしカニが三匹

PM7:00
近鉄四日市駅前にてライブ。
何人か足を止める人もいるのだが、CD購入まではいたらず、ひさびさ苦戦。

だんだん人通りも少なくなり、
「今日はこのへんが潮時かな」
と終わりにしようとしたが、なんか視線を感じる。

柱の影からチラチラ俺を覗いてる女の子ひとり。

俺がそっちを見ると柱の影に身を隠す。
そらすと出てくる。

無言の『だるまさんがころんだ』をくりかえした後、ようやくその子がそばに寄って来て、俺に向かい一言。
「スナフキン」

話し掛けようとすると、さささささささとリスの動きであとずさり、また柱の影。
るるるるるるる、るるるるるるる。

お、近づいてきた。
『北の国から』直伝『キタキツネ餌付作戦』成功。

「電話で友達呼んだ」っつーから待ってたら、その友達が、地元のFM局の人を呼び出し、雑誌の人を紹介され、携帯テレホンショッキング。笑っていいともIN四日市。

ほっとくと市長まで紹介されそうなんで

PM10:30
ライブ終了。

終わりぎわ、警備員が寄って来て立ち退き命令かと思ったらサイン依頼。
俺の勝ち。

帰り道、地元ストリートミュージシャンが唄ってたんで、目であいさつ。

すると急に唄を止め、
「金谷さんですか?僕CDもってますよ、東芝から出たやつ」

いきなり昔のアルバム『満員御礼』の曲を唄いだす。

おー俺のカバーだ。

「CD出したんですか?売って下さい、買います買います」

四日市唯一の購入者。
購入資金はライブの投げ銭。

一枚で四日市を支配したような気分。



■次は京都
2000-07-20 (Thu)

PM0:30
昨日紹介されたFM PORT WAVEに出演。
マホロバケイションO.A。

国道一号を西へ。

PM7:00
京都着。
前回の思い出の地、新京極にて開始。

開始早々購入者現れ、さい先いいかと思いきや、意外に苦戦。
中々人は集まらず、通り過ぎるのみ。

最後に栃木のOL軍団に囲まれたのだが、
「サインくれ」「写真撮って」「握手して」
三大無料奉仕。

俺自身が観光地化、仏像あつかい。

これも種撒く作業の内に入んのか?
汝らの心に花は咲けりや?

などと思いながら要求に応じていると、金髪の悪そな奴やって来て、
「ニイチャン金貸してくれや」

さすがに仏の顔も三度、そこまで奉仕は出来ん。
「金は無い」と断わったのだが、今考えるとカツアゲじゃん。

修学旅行の時流れた、
「新京極ではカツアゲが多いので、現金は靴下の中に隠せ」
と言う情報が、ようやく十数年の時間を経て実証された。

先生、アンタ間違ってなかったよ。



■そして神戸
2000-07-21 (Fri)

前回来た時、世話になった方々へお礼参りした後、これから世話になるCDショップに挨拶参り。

PM5:00
神戸で祭りがあると聞いたので、これから向かう事にする。



■あーあーあーあここは大阪、中之島じゃないけどね
2000-07-22 (Sat)

昨夜、神戸まつりに向かう途中道に迷う。

だんだん腰と右腕は痛くなってくるし、眠気も襲って来たんで、
「今日はもう、どっか泊まってしまえ」
とホテル探し。

無い。

無い。

無い無い無い。
ホテルもサウナも見つからない。

えーいもうヤケだ、神戸まで行ってしまえ。

覚悟を決め、さらに数時間車を走らせる。
ようやく見つけたホテルに泊り、朝目覚めてみれば、目の前に大阪城。

「あーこんな事なら最初っから大阪に向かえば良かった」

思ってみてもあとの祭り。

せっかくだから、大阪のCDショップぐるぐるめぐる。

PM4:30
今度こそ神戸、三宮着。
CDショップ二軒、非常にいい対応された後、地元のFM MOOV KOBEを訪ねる。

突然の訪問にもかかわらず大歓迎され、飛び入り生出演。

神戸大好き。

その後、ストリートで偉大なミュージシャンふたりと出会う。

技術はもちろんの事、俺がCD売ろう売ろうと焦るあまり忘れかけてる大事なものを持ってる気がして、聞き惚れてしまった。

どーだクサイだろ。

それもそのはず、唄ってる場所が立ちションの濡れ跡残るガード下だぜ。

けど、案外クサい場所にこそ本物が隠れてたりするもんさ。

「俺ももっともっとイイ唄うたえる様になって、また神戸に戻って来ます」
と再会を誓い別れる。

神戸入り一日遅れて大正解。
あとの祭りの後にも祭りあり。



■四国初上陸
2000-07-23 (Sun)

PM10:00
神戸の震災で温泉が吹き出した
『七転び八起きサウナ』を出発、徳島へ向かう。

PM11:30
明石海峡大橋越え。

うおーっ。
海の上だよ、海の上。
自分の運転してる車が海の上走ってるよ。

感覚としては空飛んでるのと一緒。
トリハダ立って来た。

もったいないからゆっくり走ろう。

あー、もう淡路島着いちゃったのかよ。 。

ん、花博?
おっ、そんなのやってんのかよ。

予定変更、途中下車。

あら?あらららららら?
警備員だらけ。
通路には『出店禁止』の看板だらけ。

誰が行くかい、そんなセコいイベント。

進路変更し、誰もいない淡路公園へ。
海を見下ろす絶景の中、一人ギターを爪弾く。

途中P.Aで仮眠とりつつ、
PM5:00
徳島入り。

すかさず、駅前でライブ開始するも、足を止める者皆無。

前代未聞の反応の無さ。
富山を越えた。

これ幸いと、普段やらない曲の練習。
誰も聴いてないのをいい事に、いろんなアレンジで弾いてみる。

徳島は思いの外こじんまりとしていて、周りを川が取り囲み、俺好みの街だったのだが、まあ、縁がなかったという事で、残念だが戻って来る事はないだろう。

後々後悔しながら、後の祭りの阿波踊りでも踊っていてくれたまえ。
さようなら、徳島。

さて、明日は高知だ。



■よりみち三昧
2000-07-24 (Mon)

中華そば『いのたに』で『肉入り大』を食い、
PM11:00
徳島発、55号を西へ。

55号線沿いは景色のいいとこばかりで、車を止めちゃーいっぷくの繰り返し。

おっ、誰もいない海岸発見。
えーい泳いでしまえ、水着ないけど。

パンツ脱ぎ捨て、ひとりヌーディストビーチ。
遠くに見える島を眺め、この海ひとりじめ。

疲れ果て室戸岬。
空海の像の下、波の音聞きながら眠りに着く。



■土佐の高知のはりまや橋で、たくさんCD売れました
2000-07-25 (Tue)

うどんと道草たらふく食った後、
PM3:00
高知入り。

帯屋町のアーケードで始めたところ、徳島とはうってかわって好感触。

CD買ってくれた人にFM局の場所を聞き、突然高知FMに顔を出せば、飛び入り出演OK。

番組でストリートLIVEの告知をすれば、それ聞いてまた人がやって来たりのわらしべ長者。

結局、今まで7カ所で売れた枚数と同じ数、1日で売れる。

その買い方も、チラシをじっくり見ながら、
「この『マホロバケイション』って曲 唄ってください」

唄うと、
「じゃ次は『素晴らしいカーテン』お願いします」

ちゃんと試聴して、納得してから買う。

なんかいーぜ高知。

日本の夜明けは近いぜよ。



■上士(メジャー)も郷士(インディーズ)も関係ないき
2000-07-26 (Wed)

わしゃ、ここの街と海と人が気に入ったき、もう一日土佐に居る事にしたがぜよ。

FM高知に昨日駐車場まで貸してくれた礼を述べ、午後まで桂浜。

いつか『俺の空・海外編』で、この海の向こうメリケン国やエゲレス、オロシャにも行ってみたいぜよ。

竜頭岬の先端、でっかい岩の上に立ち、波しぶき浴びてたら、興奮してきてあたりかまわず「うおーうおー」と吠えまくる。

いかん、周りの注目浴びてる。
俺が吠えるべき場所はここじゃないと帯屋町アーケードへ。

PM4:00
LIVE開始。

昨日の勢いで、残りのCD全部売ったろと思っていたのだが、何故か苦戦。

人は集まって来ないし、うるさいからどけ、と言われるし、嫌がらせの様に開いてる窓ガラガラガラと勢いよく閉められるし、久々凹む。

何があったと?

わしが商売っ気出しすぎとるがか?
商店街に敵と思われとるがやか?

もう土佐には居れんき、明日脱藩するがぜよ。

最後の別れ、はりまや橋の上で『夏草』唄う。



■乙女姉さんへ
2000-07-27 (Thu)

前も見えないほどの豪雨の中、松山街道を西へ。
脱藩気分さらにあおられる。

マッコト脱藩ちゅうのは、希望に満ちあふれたもんではないがぜよ。

けど、こん雨んなかじゃ、役人に見つかることもあるまい。



■愛媛なのにゆず多し
2000-07-27 (Thu)

PM3:00
松山着、晴れ。

昨日調子こいて頼んだCD100枚、郵便局に取りに行った後、またしてもFM愛媛突撃。

全国で5番目の民放FM局と言う事で自社番組も多く、「東京からプロモーションで来ても、お断わりすることも多い」骨のある局らしい。

「音楽や文化は、東京から降ってくるもんじゃなく、それぞれの街からわきあがって来るべきだ」
てな事言われ、
「そりゃごもっとも」
と 旅先で出会った人達のことや、感じた事を 隠し事なく話した所、やたら共感された。

「この後、生出演して頂けますか?」
「もちろんもちろん」

番組内でLIVE告知の後

PM5:00
銀天街で開始。

携帯屋の姉さん方がラジオ聞いてたらしく、
「あっ、ほんとに来た」
差し入れもらう。

しばらくすると人通りが少なくなって来たので、移動しようとすると、さっきから遠巻きに見ていた男の人寄ってきて、
「たぶん名前のある方だとは思いますが、そんな事関係なく、道ゆく人達と唄で対話してる感じが良かったです。僕もこういう事やってるんで、お互いがんばりましょう」

と、個展のチラシを渡される。

街の中、生まれたてアーティスト同志が握手。

PM7:30
大街道に移動。

何かこの辺見たことあるなあ、と思ったら昔イベントで来て、フォークダンスDE成子坂の二人とぶらついたあたりだった。

何年前くらいだろ、てな事考えてたらCD買ってくれた子が
「私『THE 3cm〜』のファンクラブ入ってるんです」

なんちゅー偶然。
『THE 3cm〜』ってのは成子坂解散した桶田敬太郎がやってるバンド。

こんな所にファンがいるとはのう。

聞けば俺の今までのCDも全部持ってると言うので、リクエストを許可する。

「ん?『ホーケイの唄』?うーん却下。自分で自分にケリつけるまで待ってくれ。
『STAND FOR ME 』?OK。じゃこれで今日はラストだ」



■キヨへ
2000-07-27 (Thu)

PM11:30
LIVE終了。

考えてみりゃ、松山は学祭でも来てるし、松山サロンキティでLIVEまでやってる。

その頃は、何も考えず当然のように用意されたホテルに泊まってたんだなあと思いつつ自力で宿さがし。

サウナの看板見つけ、ドアを開けると中に居た男性客三人、いっせいに俺を振り返る。
まさに、野だいこ、うらなり、赤シャツ。

不審に思い中を覗くと、なぜかサウナにふすまがあり、そのふすまの向こうに布団が。
三人の俺を見る目が熱い。

もしかして俺がマドンナか?

「すいません、間違えました」
あわててドア閉める。

しばらくあたりをうろつき、
「ビジネスホテル坊っちゃん」なる激安ホテル発見。

ベッドにバッタもイナゴもいないのを確認後、就寝。

明日は高松。



■ぶっかけうどん
2000-07-28 (Fri)

高速で高松へ向かう途中大雨。
ワイパー君大忙しでも追っつかず、やむなく時速80Km。

と思いきや急にカラッと晴れ渡り、時速120Km。

かと思えばまたドシャ降りで80Km。

カラッ、ドシャッ、カラッ、ドシャッ。
加速、減速、加速、減速、繰り返し。

高松入りしても雨だったので、ちょうど疲れもたまって来た事だし今日はゆっくり休むか、と思ったとたん晴れわたり、いや疲れてるのは気のせいだろ、今日も唄うぜ。

時速120Km。加速。

場所を探して車でうろつくうち、FM Marinoの看板発見。
『突撃隣のFM局』だ。

またも歓迎される。

今回の旅の事を説明していると、
「まあ細かい話は後ほど。それより、うどん食べますか?」

おー、うどん王国讃岐。

望むところと、セルフの店に連れてってもらい戻って来るなり、

「さあ、それじゃ明日のうどんはどうしますか?」

細かい地図まで書いてもらう。

その後番組3本ほど出演。
曲をかけてくれるっつーんでサンプルを渡そうとしたら、
「買います買います」
意外なところでお買い上げ。

番組終了後、アーケードにてLIVE開始。

地元情報誌の人にいい場所教えてもらったのだが、行けども行けどもアーケード。

たどり着いたころには人もまばら。

OLらしき三人組がやって来て、一人の子が不幸続きなので、何か唄ってくださいと言われたり、謎の詩人に詩を贈られたりしたものの、CD売れず。

ま、今日は素敵な人達とうどんにめぐり会えただけで良しとしとこう。



■岡山駅前
2000-07-29 (Sat)

道に迷いながら、昨日教えてもらったうどん屋へたどり着くも、100人を越える大行列。
街に人がいないと思ったら、こんなところにいたのか。

メニューを見れば、かけうどん90円の安さ。
そりゃCDも売れんわ。
俺のCD一枚で、かけうどん27杯食えるんだもん。

瀬戸大橋下P.Aでリフレッシュした後、
PM4:00 岡山入り。

CDショップ二軒訪ねた後、駅前でLIVE。

唄っていると、新潟から岡山のオープンカレッジに来たという女の子に話し掛けられる。

音大を受験すると言うので、何を専攻するのか聞いてみると、
「琴です」

そんな学科があったのか。

吉備団子でも食いながら雅楽についてもっと語り合いたかったのだが、今日新潟に帰ると言うので泣く泣く別れ、一人ホテルへ。

締切迫った、雑誌連載『極東奇潭』執筆。



■もみじまんじゅう
2000-07-30 (Sun)

PM2:00 書きかけの原稿かかえて広島入り。
広島の反応は面白い。

準備を始めると人がゾロゾロ集まって来る。
どーやら俺に気付いてるらしい。
んで、唄い始めると「何だネタじゃねーよ」ってな感じで去って行く。

何曲か唄いそれでもまだ残ってる人達は、俺の事を知らないらしく、

「プロの方ですか?」
「どこ住んでるんですか?」
「今の曲良かったんでCD下さい」

旅そのもの、唄そのもの、目の前の俺そのものに興味持ってるみたいだ。



■まだ広島
2000-07-31 (Mon)

原稿と洗濯物、たまりにたまってるんで、広島二日め。

途中道を聞き聞き、街はずれのコインランドリーへ。

洗濯の間メシ食っとこうと、隣のお好み焼き屋。
おばちゃん集団に囲まれる。

デカいへらを渡され、どーやって食うんだ?と、躊躇してると、
「おにーさん広島の人と違うん?」
「はい、東京です」
「いつ来たん?」
「今、旅の途中で、昨日来たばっかりなんです」
「学生さんかい?」
「いえ」
「ほな、失業中かい? ウワッハッハッハ。いや笑ろたらいかんわ」

失業中ってのも、ある意味当たりだ。
生まれてこの方、仕事なんてした事ないもんなあ。

一生失業しててーなあ。

そのためには、仕事しなくても許されるほどの圧倒的な魅力ある存在にならねばいかん、とホテルに戻り原稿執筆。

一人のたうちながら書き上げ、いー具合にへろへろになった所で、FM広島へ。

またも運よく出演を依頼されたので、番組までの空き時間利用し商店街へ舞い戻り、集中豪雨、一時晴れ、の繰り返す中、アーケードにてストリートLIVE。

ギター抱えた若人がじーっと見てるんで、話し掛けると、
「いい曲ですね。歌詞がいいっす。どーしたらそんな曲がかけるんですか?」

もっと誉めてくれー。俺は魅力的か?

聞けば、今度ティーンズコンテストってのに出るらしい。
決勝で東京来る事になったらまた会おう、と約束し、再びFM広島。

曲をかけてもらい、今の俺を語りたおす。

番組終了後、スタッフに誘われ『おこのみ村』。

ビルの中30軒ものお好み焼き屋ひしめく独立国。
鉄板の上、色んなものが焼かれ、様々な広島を味わう。

たらふく食って、たらふく語り、たらふく帰って、たらふく寝る。

明日は下関。

遊びの時間は終わらない。



■山口県ってあったのね
2000-08-01 (Tue)

広島で勧められた、岩国駅前ラーメン屋『すえひろ』にて昼メシ。

PM4:00 北九州到着バイ。

ん?下関ば抜かしよると?
あん橋の手前ば下関やったとバイ。
忘れよーがとね。

ま、よかよか、そげんこつコマい事ば気にしよっちゃー、大人物にゃなれんっタイ。

小倉駅前で開始しようとしたとたん、お巡りさんやって来て、
「金谷さんじゃないですか。見てましたよテレビ。え?全国回ってる?そりゃ凄い。がんばってくださいね。応援してますよ。ここはダメですけど」

今まさに頑張ってるトコなのに。

やむなく移動。
やれそうなところは人通りなく、人が集まりゃ怒られる、の繰り返し。

こーゆーのが一番疲れる。

あたりも暗くなり、もうほとぼりもさめたろうと
再び駅前で開始。

シンナー好きの少年に
「オレもトランク入れて東京連れてって」
と頼まれたり、予備校生に
「一年半付き合った彼女にフラれて、何もやる気せんとですよ」
と相談されたり、俺のCD持ってるっつー女性に、
『カッコイイ俺』リクエストされたりする。

久々唄ってみたが、いい曲だ。

隣で唄ってる奴のギターケースに
「四日市魂見せてやる」
てな事が書いてあったんで、話し掛けてみると、ぐーぜん四日市で知り合った奴らとトモダチだった。

「俺そん時、街出てなかったんで、さんざん自慢されたっすよ。こんな所で会えるなんて」

四日市もいつかまた行かなきゃな。



■おもしろきこともなき世をおもしろく
2000-08-02 (Wed)

福岡に向かう途中マンガ喫茶を見つけ、ちょっと一休みするか、と入店。

ちょっとのつもりが『お〜い竜馬』全23巻読破。
16回泣く。



■天神さまの細道じゃ
2000-08-03 (Thu)

博多天神にてLIVE開始したのだが、どこへ行っても怒られ三昧。
横断歩道の信号、『とーりゃんせ』のメロディーがむなしく響く。

天神様の細道じゃ!
御用のないもの通しゃせぬ!
御用はあんだけどなあ。

博多駅前へ移動。

最初にCD買ってくれた女の人が天神FMで仕事してるらしく、曲をかけると約束してくれた。

やっと通らせてくれたかのお。天神様。

その後、インターネットでストリートミュージシャンのHPを作ってる人に取材されたり、おなごにメシ誘われたりする。

駅前ラーメン失敗。
昨日の『一蘭』の方が美味かった。



■火の国より熱く
2000-08-04 (Fri)

熊本『こむらさき』でラーメン食った後、下通り商店街にてLIVE。

昨日に引き続き、ストリートミュージシャンHPの取材を受ける。

なんか流行ってんのか?

唄ってるとTVの街頭インタビューやってたんで、恥をしのんで出演依頼。

「金谷ヒデユキという者ですが、今全国をストリートLIVEしながら回ってまして、もしよかったら出演させてもらえませんか?」

何だコイツって顔で断られる。

くそー、やめときゃ良かった。

しばらくすると、俺の回りに人が集まり出し、それ見て
「あーっ、あの金谷かー」と気付いたらしく、今度は向こうから出演依頼。

番組内でCDかけてくれるっつーんで、自腹でCD一枚プレゼント。

曲の宣伝になって一枚でもCD売り上げにつながるんならどんな屈辱も受けちゃる。

ハンパなプライドどっかへ飛んでけ。



■さらば熊本
2000-08-05 (Sat)

いざ大分。
PM3:00 大分入り。

おっ、なんじゃこの人混みは?
七夕まつりかー、うわっアーケード街密集だ。
ゆかたじゃ、ゆかたじゃ、いいとこ来た。

地元局OBS主催のイベントやってる様なのでのぞいて見る。

そーいや以前俺もOBSで仕事したなあ、なんて思い出してたら、ぐーぜんそん時のディレクターと再会。

「えっ?金谷さん?何してるのこんなとこで?
旅?全国を?今日たまたま大分?
昨日おたくの事務所のマンブルゴッチさん来てて、あなたの話もしてたとこなんですよ」

CDショップ、FM局を回った後、LIVE開始。

大分は反応いいなと思ってたら、
「今日メレンゲ見ました」
そーか今日OAだったのか。

大分ではネットしてないが、ケーブルTVで見たって人が意外に多い。

高知以来の好成績。

終わり際、自分もストリートで唄ってるって奴がやって来て、
「アルバムの曲じゃないのも唄ってくれますか?」

何だい、また替え歌希望か?

「えーと、『走りだせ若者よ』唄ってください」
おー知ってんのか、そーゆー俺を。
唄うぜ、唄うぜ、どーだ聞きやがれ。

「なんかうまく言えないけど、感動しました」

終了後、留守電聞いたら幹てつやからメッセージ。

「幹てつやです。お久しぶりです。今日メレンゲ見ました。僕も今がんばってます。またお電話します」

奴はまた俺を追っ掛けて来る気か?
つーか俺電話番号教えたっけ?



■ぜーたく三昧
2000-08-06 (Sun)

九州入りして以来また腰が痛み出し、玄界灘越えたら限界だな、などと低レベル廃棄物なセリフが脳味噌内で噴出していたのだが、シャレじゃすまなくなって来た。

朝起きたら体が動かん。
今日はマッサージに行くしかない。

痛む腰をなだめつつ、大分右往左往。
駅の案内所や、いろんなホテルを訪ねてみるが、どこもかしこも日曜休み。

ああ、我が命運大分にて散しや。と、辞世の句を読もうとした所で、ようやくマッサージの看板発見。
九死に一生を得る。

「ずいぶんコッてますなあ」
「ずっと車の運転をしてるもんで」
「大分の方ではないとですか?」
「ええ、今全国を車で回ってるんスよ」
「ほーよかですな、私なんか目が悪かとで、
大分はおろか、うちからもよう出られんがですよ」

俺はぜーたくな事をしてるなあ。

よっしゃ、今日もLIVEだ。

沖縄からバスケの試合に来た中坊に囲まれ、酔っ払いのオヤジにからまれ、福島から沖縄へ行く途中で大分に住み着いちゃった風俗勤めの若もんと話し、ふたりで一枚づつCD買ってくれたカップルの女の子のほうに一目惚れし、男の方そっちのけで『あるいはこんなラブソング』唄う。

まだまだ俺のぜーたくは続く。



■ヒデユキの気持ち
2000-08-07 (Mon)

『メレンゲの気持ち』を見たって人達からメールが来て、ほとんど全員が
「無理矢理ネタやらされてかわいそう」ってな意見なのでひとこと言っとく。

くわしく言やあ、表現するっちゅう事の意味やら、TVってものの本質だとかのややこしい話になるが、要は悩んだ末に俺自身が自分で決めてやったっつー事。

どーとらえられよーと俺の責任だよーん。

目の前に障害物があったら、それどかすか、乗り越えるか、回り道するか、何かしなきゃしょーがねえ。

指くわえて見てたって何も始まらん。
みんなそこで苦労してんだよーん。

あっ、みんなじゃねーや。間違い間違い。
『志同じくする人達はみんな』に訂正。

収録後、メイク室で爆笑問題の太田に
「やっぱネタやらされちゃったなあ」
つったら、
「あったりめーだろ。のこのこ出てくりゃやらされるに決まってんじゃん。それがTVだ。俺だってなあ…」

ま、そーゆー事です。
同情するならCD買えよってな感じですかな。



■九州横断
2000-08-07 (Mon)

PM4:30 
長崎着

女の都、神の島、思案橋などオイシイ地名めじろ押し。
しかし『神の島』行きバスって事故りそーでヤだな。

PM7:00
LIVE開始。

ガキはイイな。言葉のわからん2、3才のガキは。

俺の過去の知名度やら、今の状況やら、なんも説明せずとも目の前で唄ってる俺の姿が楽しきゃニコニコ笑って近付いて来て踊りだす。つまんなきゃすぐそっぽ向いてどっか行っちゃう。

言葉の通じないガキが一番話がわかってるってのも皮肉なもんだ。

ある意味コトバは無力っタイ。



■九州縦断
2000-08-08 (Tue)

せっかくの長崎じゃき、もーちくといたいがぜが、江戸での試合がもう近づいちょる。
稽古もせんならんき、戻らんといかんがぜ。

次くる時は船でくるっち、金ば稼がんならん。
船一隻買うに何億いるがいや?

西郷どんにちくと相談ばしてみるち。

PM0:00
凱旋帰国のキリングセンス萩原から電話。
すっかり会話のテンポが元通りだ。

PM7:30
鹿児島着

PM8:30
天文館通りでLIVE開始

どうにもイイ場所がなく、うろうろ移動。
やっと適当な場を見付けたと思ったら、
「そこ店出すからどいてくれ」と言われ、反対側のにぎわい通りへ。

全然にぎわっちょらん。
まるでひと気なし。

かまわず唄い始めるとキチガイ女が近づいて来て、ブツブツ俺に文句をつける。

よーしこいつに響くような唄をうたってやる。

テンポ落とし、ゆったりと、声おさえ、静かに唄ってるうちに、女のけわしい表情がやわらかくなってきた。

気のせいか?そーだろな。
ま、誰に話しても信用されんじゃろ。

けど、唄ってるうちに集まって来た客との会話んなかで、俺が
「また鹿児島くるよ」っつったら、その女

「ゲイノージンが来るわけないじゃん」

はっきり言ったよ。
はじめて意味のあるコトバを。
悲しそうな目で。

俺の唄は届きましたか?
深く暗いあなたの心の奥底に。



■東京のバカヤロー
2000-08-09 (Wed)

鹿児島まで来ると、やっぱ東京は遠い。
長淵剛が『花の都大東京』ってのもわかる気がする。

東京生まれの人間にとっちゃ、
「お前らイナカもんが東京を汚してんだよ、 いやならとっとと帰りやがれ」
って気持ちだろーけどね。

生粋の東京人の皆さん、身勝手なイナカもんを許してやってつかーさい。

んなこと考えながら鹿児島港。
目の前うるさいほどとんぼが飛んでやがる。

PM4:00
天文館。シャッター閉まった店の前でLIVE始めようとしたところ、今度は似顔絵描きのおっさんに文句言われる。

「あんた昨日も唄っとったでしょ。私ここで22年も絵描いて、3万5千人以上の顔描いてるんよ。最近なんだか楽器弾いてワーワー騒いどう奴が多くてうるさくて迷惑じゃ。あいさつもせんと近くでやりおる。マナーがなっとらん。あんたはなんぼかマシなほうやけ、ここで唄い。ほしたら他の奴らー向こうへ行きよる」

なんだかよくわからんが許可がおりたみたいだ。
鹿児島のストリートミュージシャンの皆さん、代わりに俺が怒られといてやったぜ。
感謝するように。

お互い仁義は切ろうぜ。



■LIVEに間に合うのか?
2000-08-10 (Thu)

PM3:00
宮崎着
早速若草通りにてLIVE開始。

時間もないので売り込み訪問はしないつもりだったのだが、カメラ片手に近付いてきた男の人が
「地元のタウン誌のものですが取材させて下さい」
勝手に向こうからやって来た。

LIVE終了後、別の男性が
「マネージャーさんは一緒じゃないんですか?」
「ええ、まったくの一人です」
「ラジオなんかに出演する場合はどーするんですか」
「俺が自分で交渉します」
「じゃ、出て貰えますか」
「えっ?」
「私、MRT宮崎放送でアナウンサーをやってるものです」

宮崎放送へ。

番組二本録り、曲もかけてもらう約束をし、川崎行きのフェリーがあると教わった宮崎港へ。

ギリギリ乗船。

いざ川崎。



■前略船の上より
2000-08-11 (Fri)

海じゃ海じゃ黒船じゃ。

AM5:00
二等船室。
どっかのバカがセットした携帯のアラーム鳴り出す。
日の出でも拝むつもりか?
船の上から見る日の出。安易な発想だぜ。

が、当の本人起きる気配なし。
よーし代わりに俺が見てやる。いそいそ甲板へ。

意外に物好き少なく、俺の他には7、8人。
みんな日の出見たくねーのかなあ、勿体無い。

カメラ抱えて必死になってるおとーさん。
「ほら、見ろ見ろ太陽が出るぞ出るぞ」
対照的に眠そーな子供達。

イッセー尾形の『幸せ家族』だ。

360°何も無い水平線から、ただひたすら眩しい光の塊が現れる。

何のへんてつもない風景がやけに心地いい。
単純なものほど飽きが来ないってのはこういう事か?

にしても、船の上から見る海、遠くに見える島、羽の動きを止め風に身をまかせる海鳥、こんなんひっくるめた景色に勝てるような唄がうたえる
日が来んのかなあ。

くやしいが、今の時点じゃ勝ち目なし。
俺の唄聞くより、船に乗った方がイイ。
敗北宣言。

PM6:00
川崎港着

PM7:00
川崎駅着
駅前LIVE開始。

『メレンゲ』効果か、わりと年輩の男性陣が
「応援してます、頑張ってください」とCD買って行く。
ゴツゴツした手でシェイクハンドぜよ。

「昔、ワイドショー出てた頃のあなたの政治ネタ、非常に好きでしたよ」

横にいる少年に向かい、
「君たちは知らんだろう、この人を。何?知ってる?ふんふん、そーかボキャブラか。こんなおじさんから、子供まで熱中させるとはいやはやたいしたモノですな」

片や15才にしてストリップ小屋のビラ配りしてる少年たち。

最初、「ネタやってネタやって」とうるさかったのだが、曲を聞いてるうちに
「やっぱ取り消す、こっちのほうがカッコイイや。ぜったいビッグになってよ」

いやはやたいしたモノですな。



■自宅療養
2000-08-12 (Sat)

ほぼ一ヶ月ぶり帰宅。
安心したのか、夏カゼ。